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ミンダナオ島西海岸、魚介類豊富なビーチ探索、その4

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私は今、最果ての自給村で歯を磨いている。顔洗ってパンツを洗い終えたら村を徘徊する。

以前からこの辺りは豊富な漁場だと聞いていたので、機会があればやって来て、豊富な魚介類とやらを口にしてみたかった。実は以前から回りの者に西海岸はパラダイスだと聞かされていたのである・・・

きっと市場に行けば、鯛やヒラメとか、アワビとか、ロブスターなんかが豊富で、バカみたいに安い値段で手に入って、貝毒にまみれてジンマシンが出るまで海の幸を満喫出来るに違いない。

 

今日はたっぷり味わって帰ろう!
少なくとも人間の3欲の半分くらいは満たして帰りたい。

なんて思いながら、私たちはフンドシを引き締めてマーケットを物色しに出かけたのだった。

だが、村を徘徊してショック!なんと、ここにはマーケット(魚市場)ってモンがないのだ。

あったのは僅か2、3軒の雑貨屋?(気づかないほど小さい)と、漁師道具の店が一軒だけ。

自給村にはマーケットって物は必要ないらしい・・・

 

もし近くの村にでもマーケットがあるのならそこまで戻って行って買おうかとしたが、残念ながら近隣の村々にも無いのだという。最悪・・これだけ海が近くてなぜ!?

 

この村では魚が欲しければ、自分で捕獲するか、漁師の船を待つか、漁師の家で余った魚を買うかしかないらしい。米や野菜を求める漁師が魚を持って農家を回る事があるからそれを待てと言われたが、そんな時間はなさそう・・

 

農園がある最果ての山の近くでも肉や魚くらい売ってるが、そういうものがここには無い・・ってかここでは必要ない?

それじゃ、我々みたいな旅人はどうすれば!?

 

仕方なく漁師の家々を回ってみたが、昨日のシケで魚が無いのだと言う。タイミングわるぅ・・

漁村なのに鮮魚が一匹も無かったのだった・・・・(冷蔵庫が無いから生ものは全てその日に消費すると言う事)

(干し魚はあったけどいらない)

それでもどうしても喰いたい欲望を諦めきれず、地引き網で漁をする漁師に相談してその場で採れた獲物を分けてもらう事にした。こりゃもしかして上手くいくかも。

これは期待できるぞ!

漁師達は手漕ぎ船で網を張って回り、浜からよいしょよいしょと重たそうな地引網を引っ張っていた。これは期待出来るかもしれない・・ピチピチ踊る鯛やヒラメがごっそり入ってるんだよあの網に。

と思って、楽しみに浜に上がるのを待っていたのですが、引き上げられた魚を見てガックリ。

 

毒のあるエイとかw (それも手のひら位のw)

孤独すぎるクルマ海老だとか・・

中指くらいしかない小魚だとか・・・

喰い応えの無さそうなガザミとか子アジが数匹。

もう、そのガザミでもいいから売ってください!と涙ながらに訴えると、白い服を着て杖を持った、まるで仙人のような老人が突如目の前に現れて(マジ) モスレムのしきたり上、最初に上がった魚は売れないのだという。

えーーーーっ!

その後、二回目以降なら分けて貰えるだろうと、何回か魚が上がるのを待っていたが、いつの間にか漁師達はいなくなってしまっていた・・・

 

彼らは自分たちが一日食べられる分だけ海の恵みを頂いたら去って行ったのだった・・・

 

と言う訳で、夢の美食は諦めてわびしくインスタントラーメンでも作って食べよう。仙人に拒否されて欲望が消失した。

 

不味い賞味期限切れのラーメンが車の荷台のダンボールの中にある。あれを喰おう。鯛だのアワビを夢見るのはよそう。

家へ帰り付くと、住民達は我々が提供したビーフンの元を使って自給的な野菜を使い、肉が全く入ってない焼きビーフンを作り始めていた・・・

この村は家畜肉って物が一切売って無いのである。以前私が行ったアグサン州の山奥の秘境でも鶏の足先くらいは入手できたが(爪が付着しているヤツ)ここはそれさえ売ってない。

卵は日持ちするらしく雑貨屋で見かけたが・・・(多分危険)

 

(電気が無いからこんな台所。まぁ私は比較的慣れてるんだが)

 

私ビーフンいらない。野菜ラーメン食べるから野菜ちょうだい。

この家には鍋が一個しかないから車に積んであったヤカンにラーメン詰め込んで茹でたよ。

美味しそうでしょう?

インスタントラーメンやボンカレーは世界中どこで作ってもうまいのだ。

これをローソクの下で喰う。ちゅるちゅる・・

彼らは野菜ビーフン。フィリピン的には大ごちそうだと大喜び。

しかし、この村はすごいよねぇ。村民達を丁度賄える程度の水田が山の麓に広がり、海にはこれまた村民を丁度賄える程度の漁場があって、お金がなくとも物々交換とかでバランスよく暮らしていける。ある意味理想郷だよ。

(でも観光客は賄えない)

 

携帯が通じないから、お姉ちゃんがTXTばっかりやって人の話を聞かないって事も無いし(爆)ネットカフェも無いから、フェ椅子ブックで外国人とウツツを抜かす女の子もいない。私たち老い先短いオッサンのたわ言を心行くまで聞いてくれたりする。

「ワシは話し相手だけいれば電気もネットもいらん。米と干し魚があれば充分じゃ!」なんて人は最適だよ。私は遠慮するけど。

 

定期的に村の時間を知らせる謎の鐘。形がなんかアレだけど、まさか・・・カン、カン、カン、ドーーーーン!!!って事はないよね。

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