○そうだ!カガヤンデオロに行こう
それから、やはり中古車はカガヤンに限るとの結論・・
ミンダナオ西部から、最南端のジェネラルサントスへ行き、そこから南東部のダバオへ行き、それから最北のカガヤンを目指したのである。バスでね。
前回激しく更新が遅れたのはこうした理由である。
ダバオちゃんバイバ~イ
戦時中に日本軍が死の行軍をしたというマンジマ渓谷を直下に眺めながらカガヤンへ向かった。
奇妙なボンボンの付いた棒を怪しく上下させながら客引きをするトウモロコシの露天が多数ある。
味はまぁまぁ
さて、また来てしまったカガヤンの街・・・
セクシーなビサヤ娘と、やたら多い刺青の男たちと・・・・意味不明な落書きに覆われた海の町。
この様な芸術性も知性も無い落書きが街中を覆っている。
あ、、セクシーなビサヤ娘撮り忘れた・・・
でも、パーツ屋と輸入中古車屋の数は圧巻。
その中の一番怪しいターミナル横の常連ホテルにチェックインし、すぐ脇の不衛生な焼き鳥屋の串を頬張りながらカガヤンの夜を満喫した。
不衛生だと言ったのは、生の串と焼いた串を同じ皿に入れているのを見た為。でも美味かった。
○雲助ドライバーもいるようです
カガヤンへは見学や引取りを含めるとかれこれ10回近くになる。(あんまりブログには取り上げてないです)毎回来る度に日トライシクルを貸し切って中古車屋を回るという方法を取っている。
安価だし小回りが効くから便利なのだが、やはりタマには悪質なヤツに当たる事もある。
前回は若者だったがとても良いドライバーだったので安心して徘徊が出来たが、今回のオヤジは曲者だった。中古車屋を巡るうちに不穏な動きを見せていたかと思ったら、回った中古車屋の全てにコミッションの要求をしていたのだった。
それを察したワタシ達がトライシクルを変えようと考えていると、突如人気の無い場所に止まり、ドライバーが仁王立ちで出口を塞ぎ、成約料なるものを要求してきた。買うんだから金を出せと言う意味不明な要求だ。
(誰も買うとは言ってないのに、想像力豊かなヤツだ)
我々はビサヤ語が満足に分からず会話が出来ない。相手の顔つきが段段と豹変してゆく様子を感じた私は「うん、分かった分かった」と言いながら、ポケットの小銭入れ(トライシクル代しか入れてない)を遠くに投げ捨て、ドライバーが拾いに行った隙に
路地裏に走って逃げた。まぁ強盗って奴だね。
買うそぶりは一切見せなくても、車屋を回る様子を見れば金持ってるんじゃないかって印象は与えちゃうよね。私たちは乞食みたいな格好していたのだが、あまり意味は無かったみたい。今後は気をつけねば・・・
同じミンダナオ内なのに言語がまるで違うのは不便・・・
幾らタガログが標準って言ったって、みんな普段の会話にタガログ使ってないし、こういった雲助ドライバーなんてタガログの勉強さえしてるかどうかも怪しい訳だし・・・我々の外交力は村を超えると通用しない。
展示場に飾ってある車は基本的にカス
これはワタシも以前から分かっていた事だし、今回、ワタシがトラックを買った中古車屋のオーナーも同じ事を言っていたが、国道から目に入る場所にマトモな車は並んでいない。マトモな程度の良い車ってのは表に出すまでに売れてしまうのだ。
車屋からすれば、この自己責任の国でほっといても売れてしまう場所にわざわざ良い車を置く必要はないのである。
だから、マトモな車を買いたいと思ったら、車屋の奥や、車屋が持つ修理工場の中の隅まで見る必要がある。そうすればまだ客の目に晒されていないフレッシュな車体を目に出来るだろう。
と言っても、その段階で誰かに抑えられている事の方が多いが。
(相手が売りたくない車ってのは「これはオーナーが使うから売れない」とかよく言われる)
保存版!農園的フィリピンジャンク中古車選びマニュアル
(プロの方が見れば誤りは多いと思います。素人のたわ言だと思ってください)
#マフラーに指を突っ込み粘度を見る。オイルを吹くほど乗りつくした車だと指にタールが 付く事がある。状態がよければすすしか付かない。
#前タイヤの奥のローターに触ってみて、ローターの磨耗度が高いようならかなり長距離 乗っている可能性。ローターに段差が付くから分かる。
#ラジエターキャップを開けたままエンジンを掛けてみる。問題があれば泡が吹き出す。 錆が勢い良く上がってくるものは以前クーラントを使ってなくエンジン内部が汚い
#車の後ろに回ってマフラーから出る煙が黒すぎないか白すぎないか。多少は仕方ない。
#オイルキャップを外したままエンジンを掛けて注入口から煙が出ないか見てみる。
#出来るだけ長い時間エンジンを掛けてアイドリングの回転が安定しているか確認する。 アイドリングがふらつくものはオーバーヒート経験ありかも
♯ジャッキアップしてタイヤとハンドルを交互に動かしてガタを見る。ガタがあれば関節部 かギアボックスのどちらかが悪い。関節部(ボールジョイント等)であれば安価に交換可。
#エンジンの外見が不自然に綺麗でエンジンの継ぎ目から新鮮なボンドがはみ出ていれば、 フィリピンで即席オーバーホールされた可能性もある。
#地面にオイルや水の落ちた跡がないか
#ボディを叩いて重たい音がする時はフィリピン得意のパテの厚塗りで成型した可能性。 全体を覆ったような物でなければ問題ない。
#フロアマットを少し剥がして下地が綺麗か確認すれば、過去の素性が少し分かる事もある。
#クソボロでもオリジナルのシートが装着した位の車の方が良い事がある。フィリピンは オリジナルっぽく新品のシートを張る技術がある
#フロントガラスの上部のピラー部を外部から良く見てみる。不自然な膨らみなどがあれば 輪切りにして輸入したもの。機能に問題は無いが何となく嫌な場所から錆が出てくる
#ネジがバラバラな車、ボルトがあちこち舐めてる車は大体全体的に程度がよくない
♯車検証とエンジンナンバー及び車体ナンバーの照合を必ずする。物凄い確率で間違いがある
思い浮かんだのはここまで。部品を交換していたりしたら当て嵌まらない事もあるからトータルで考えよう。
お金がある方なら日本製の新車がベスト。お金の無い方は左ハンドルの国から輸入された中古車を選ぶという手もある。
右ハンドルから左ハンドルに改造した日本車は、メンテナンスに長けた現地のフィリピーノ向けだと思ったほうがいい。構造が複雑な普通車はトラックより更にトラブルが多い傾向。
左ハンドル化した車のエアコンは殆ど使い物にならない。エアコンの配管は一回素人がいじってしまうとほぼ駄目。
フィリピンで使用暦のある中古車は外見が綺麗でも中身はムチャクチャ。見かけはボロでも初回登録車を買った方が変な部品とかに取り替えられてないのでいい。
ナンバープレートに西暦を記したステッカーがペタペタ貼ってある車は貼ってある年数分フィリピンで使っているという事。
部品問屋街のストリート
そして、一番最後に決めた車は当たりか外れか・・
ジェンサンーダバオーカガヤンと中古車を探しまくり無駄な旅行代を使ってしまった。これなら近場で1ランク上の中古車が買えたかもしれないと思ったり・・
そんな感じで、最後の最後に「まぁまぁかな」と思った車がこれ。とにかく全体のレベルが低すぎるので、かなりボロでも良いと感じてしまうという・・
(普段、カワイク無い子ばっかり見ている環境で、目の前をごく普通の子が通りがかったりしたら、その子がすげー美人に見えてトキメクよね。あれと同じ理屈だ、意味不明だが)
これを見つけたのは目立たない場所で輸入中古車のレストアを行っていたモスレム商人の工場だった。
この工場を最初に訪問したときに工場は閉まっていて、トタン板の隙間からトラックの荷台の一部だけが見えている状態だった。その場は諦めて去ったが最後の最後でどうしても気になり、他店で候補は決まっている状態だったが、もう一度訪ねてみる事にしたのである。
なぜ、最初の訪問でその店だけが閉まっていたかが後になって分かった。モスレムオーナーが礼拝に出掛けて留守だったのである。
今回見た私が欲しい中古トラックのどれもがひどい状態だった。私が欲しがるダブルキャブが酷使される用途ってのもあるんだろう。下回りは無残に錆に埋め尽くされ、パテの厚塗りでボディごと覆われているのが普通だ。エンジンを掛けてラジエターキャップを外すと激しく泡を吹き、オイルキャップを外すと勢いよく煙を噴出す。明日にでも修理しなきゃならない状態だ。
その中で一番マトモだと思えたのがこれ・・外装は思いっきり再塗装されているし、エンジンも少なくとも23万キロは走ったスクラップだし(123万キロかもしれんw)、閉まりの悪いドアもあり、シートもボロボロに破けているが、とにかくごまかしが少なかったのが気に入った。
その場でジャッキアップして見れる所はなるべく見て、触れるところは何でも触り、試乗させて貰って大した問題が無かったので即日決めた。ってか、本心を言うとここまで来て手ぶらで帰るような後戻りは出来なかったのである。
モスレムのオーナーが言うには親戚に買わせる予定で工場に仕舞っておいたと聞いた、まあ一般的なセールストークとも言えるが、確かに表に出せばすぐに買い手が付きそうな感じだ。(その位他のトラックの程度が低い訳だ)
問題は、まだ輸入したてで登録前の車体なので、仮ナンバーを取るまでに最低で一週間も掛かってしまう事・・・
これは最初の候補だったトラックのエンジン。(こいつはキャンセルしたが、もしダブルキャブだったらこっちを買ったかもしれない)
何十台も見て回ってこれが綺麗だってレベルだから凄いでしょう?