ついに惨事です。
ふいに指を出した瞬間に悲劇は起きてしまいました・・・
次から次へと華麗にスッポンを採ってゆく少女を見て私の感覚はマヒしてしまっていたのかもしれません・・
というか、一般的に日本のスッポンは噛むと危険だと知ってはいましたが、私は日本のスッポンとフィリピンのスッポンは実は種が違うのではないかと思っていたのです。
以前こちらのスッポンを食べた事がありますが、日本のスッポンとは似ても似つかぬ味というか、嫌なにおいがしてとても食べられたものではなかったのです。(多分調理法が間違っていたのだろう)
スッポンスッポンとは呼んでいましたけど、心の中ではミドリガメかクサガメの変種か何かの可能性もあるなと思っていました。
だから、これだけ贅沢な食材に囲まれていながら今まで殆ど放置してきたのです。
■スッポンに噛まれた痛み
スッポンに噛みつかれると、瞬間的に甲羅の中に指が引き込まれてしまい、容易に抜くことができません・・・
しかし、痛みは想像ほどではありませんでした。痛いのは痛いですが、もがき来るしむ程ではなかったです。
子スッポンだったからかもしれませんが。
よく機械工作中に誤ってペンチで指を挟んで青あざが出来ますが、あんな感じの痛みです。
動画ではすごく痛そうですが、正直カメラの存在を意識する余裕はありました。
■少女からスッポンを買いました
少女は自給自足の糧としてスッポンを食糧にして食べきれない分を路上で売っていました。しかし買う人は少なく、売れても数十ペソです。
現地人から見ればスッポンはただの亀なのです。
しかしこれが日本と同じスッポンであれば少なくとも日本人の価値観から見れば価値がありますので、保存出来るのであればもうちょっといい値段で買ってあげられる可能性があります。
かといってそういう買い方をすると第三者に頼まれたりして大量のスッポンをこちらに持ち込まれても困るので、とりあえずは生活物資等で現物配布します。
(これは収益の還元とは別の話です)
■スッポンを長期保存したい
スッポンがスッポンであると確信したので、スッポンを保存できないか考えてみましたが、スッポンは鮮度が落ちるのが速いらしくて冷蔵や冷凍はダメっぽいのです。
燻製が手っ取り早そうですが、爬虫類の燻製は安全性を考えて長時間燻蒸する必要がありそうなので、そうすれば今度は匂いがきつくなります。
という事で、とりあえず実験的にそのまま乾燥を始めました。カチカチにして粉に出来ないかなと。
現在あり合わせの材料でインチキ過ぎる乾燥機を作って乾燥させていますが、塩分が嫌いなため塩を一切使わず乾燥させているので仕上がりは未知数です。(多分本当は塩が必要)
結果が出たら報告します。
スッポンの調理は法律的にグレーゾーンじゃネーノかと思っていましたが、何かで大丈夫っぽい話題を見たのでおそらく大丈夫だと思います。
こちらの人たちは保護動物の海亀とスッポンを混同している場合があります。大部分の人がどちらも見たこともない上どちらも呼び名はタートルだからです。非常に紛らわしいのです。
日本語と言うのはとても細かく生物の分類が出来ていますよね。
例えば貝を一つとってみても二枚貝、巻貝、皿っぽい貝、その中に数え切れないほどの沢山の貝に名前が付けられています。
しかしフィリピンは動物の分類が非常に簡易です。生物学者レベルで見れば分類されているのかもしれませんが、多分99%の庶民は生活上困らない程度の非常に簡単な分類しかしていません。
例えば蛾も毒蛾も蝶も全てバタフライ。鳥類はサギも雀も鳩も全てピスピスです。貝類はカタツムリも巻貝も二枚貝も淡水貝も全てシェルなのです。
同様に亀とスッポンも共にタートルですから、タートルを食べたと言えば保護動物のウミガメを食べたと勘違いする人も出てくる訳ですね。
他に面白どころの動物の分類でいえば、メガネザル(ターシャ)は絶対に猿とは違うと現地の人は言います。
日本から見ればどう見ても猿ですが、これは現地では妖精と崇められているので、猿ではなく妖精という生き物なのです。
蟻塚の件と似ていますね。