さて、肝心のコーンの売り上げはどんな具合だったのか?そのベールを引き剥がしてみよう。
通常、栽培に掛かる費用ってのは、種代、肥料代、そして作業賃などが主なものだろう・・・
結論から言うと・・
なんというか、経費がやたら必要だし、更に判断ミスも重なっての苦しい売り上げだった。今回はなんとか赤字を免れたが、このままだと先々大赤字を食らう可能性もあるだろうね。100歩譲っても米のほうが利益率良い・・・
>この調子なら必ずニッパヤシの倉が建つ!
などと調子をこいて豪語したが、ホントにニッパヤシの家しか建たない売上げだった(爆)
※ニッパヤシの家とはバハイクボとも呼ばれる貧困層の象徴的な家のこと。
今回の問題点の詳細だが・・
通常、農作業へ払う賃金のほかに、必要であれば管理者を設定して幾らかの管理料を払う事がある。別に管理者がいなくても作物は育つが、畑をちょくちょく見てもらった方が良いのは確か。
従って、一般的には総収穫量の10%~20%程度の管理料を払って見てもらう事も多いわけだが、その管理料の設定を誤った。
この管理料を、山の農夫さんのいいなりで設定してしまい、経費を引いた残りを折半って条件にしたのだ。
まぁ、特別なケースとしてこういうやり方も無いではないが、通常、利益折半ってのは、共同経営者や親族でも無い限りありえない高額である。
なぜならば管理者なんかいなくても作業賃で農夫さんを雇えば済む話しだから。
土地はこちらの自前、栽培に発生する多額の経費は総立替えしなきゃならない訳で、万が一の災害時のリスクを追うのもこちら側である。もし、利益折半だと、大雨が一発来れば瞬時にマイナスは免れない。(相手がマイナス分を半分払ってくれる訳がない)
いい事は一つも無いのだ。
それから管理農夫さんは、折半のほかに日ごろ発生する肥料撒きや除草などの労働賃金も得ており、二重取りの状態であった。
今回の管理農夫さんは充分な農地を自己所有しているし、なんと3人の娘が都会で働いて仕送りしてくれているし、そういう人に無理に頼む必要性も感じられないので今回限りにする。
逆の立場になりたいくらいだよ。
それから農業資材について。
種と肥料が売却益に対して相対的に高すぎる。話にならない。
僅か20kg/haのコーンの種が日本円で14000円なんて狂ってるよ。
農民が作ったコーンだと20kgで僅か300円でしか売れないんだよ。どういう過程を経たら14000円になるのかメーカーに問ただしたいほどだ。
確かに種には特許料やら特殊技術があるのは理解できるが、現代の搾取というほかない。
だから、コーン適地を持っていてもコーンの種を買えない農民が山ほどいる。彼らは仕方なく自家採種する訳だが、その種会社の種から実った実ってのは種に適さない。
借金して高価な種を撒いたとしても、今度は肥料が高価で肥料が撒けない状態に陥る。
素人考えだが、遺伝子操作で意図的にそういう風にしてんじゃないのかと疑いたくなるよ。種会社と肥料会社が儲けを減らすだけで世界の飢餓人口と貧困が同時に減ると思う。
という訳で、今回の実験コーンは完敗。早くも限界を感じ始めたのである。
もう、コーンは止めておいた方が良いかな・・・でも、今回の分は既に植えてしまった・・・欝
今回の1ヘクタール辺りの収穫量(超大まか)
丸ごとコーンだと110俵(約6600kg)
粒コーンに加工すると44俵(約2640kg)
これをバイヤーに持ち込むと、2640kg×14.8=39072ペソ
肥料代、約10000ペソ
種代、約7000ペソ
作業賃、運搬賃、乾燥代、カラバウ代、約8000ペソ
雑費、食費、約2000ペソ
—————–
経費の合計27000ペソ
39072-27000=12072ペソ
折半すると12072/2=6036ペソ!!!← 純利益/1ha
死ぬほど神経すり減らせてたったの6036ペソ