■箸が消えてゆくミステリー
箸が片っ端から消えてゆく原因が分かった!
私が大事にしている日本箸はみんなに粗末にされ、ある箸は流し台の下で朽ち果てながらサンダルに踏まれ、ある箸は髪飾りの変わりに女性の頭に突き刺してある。
しかしだ。100本単位で保持している箸がその程度で全て消える訳がない(安い竹箸も含む)
誰に尋ねても箸のゆくえを語るものはおらず。
私はずっと悩んでいたのだが、昨晩謎が解けた。
これだ!
私が見たのは炭火の着火に使われて煌々と燃えさかる箸!
これで理屈はつく。
おかしいと思ったんだよね。あれを盗んで帰るような物好きはいないだろうし、洗い場にも落ちてないから自然減でもない。頭に刺すって言ったって一本や二本の話である。あれだけ即効でなくなる理由が分からなかった。
確かに便利なんだ。自給生活を続けているとライターなんか役に立たない。我々は出来るだけ火を温存しながら生きている。必要なのは細い木屑だ。
そんな時にカマドから手に届く場所に箸があれば確かに便利。
■箸の製作
そういう訳で、ついに箸を作ることを決意する。
身近に竹が沢山あるので、やはり竹の箸だ。沢山作って消耗戦に備えるぞ。
現在、マンゴの下に倉庫を作っているのだが、そこで使っている象の足ほどもある象竹という竹の端くれが大量にある。
裂いてみると、密度の高い部分が分かると思う。
この部分だけを使って作れば大変丈夫な箸ができる。
まず、象竹を適当な大きさで短冊割にして、さっきの密度の高い部分を剥離する。
あの棒はこん棒。
問題は切り口だ。日本刀でスパッときったような切り口じゃないとケバケバしてすぐ駄目になる。だから山刀で素早く端を切り落とす。
長さはちぐはぐだが、このままでも使えない事はない。
竹の皮の部分は一番耐水性があるからあえて残しながら削る。
丁寧に作れば幾らでも綺麗に作れるが、消耗品なのでそこそこの出来で次に行く。
次に長さを揃えなければならない。
もう片側もスパッと行く必要があるが、人間の精度はそこまで高くない。1メートルも振り上げて叩きつければ数センチはどうやっても誤差が出る。
当て木をして長さを合わせて見たが、振り下ろす時に当て木に力が逃げてスパッと行かない。
そこで山刀を当てて、大ハンマーで叩いてみた。
すると、バシッ!と音を立てて綺麗に切れた。
この竹はここまでしないと切れないのか・・・
ここまで綺麗にやってしまうと、仕上げをもうちょっと綺麗にしようという色気が出てしまう。
ニスを塗って高耐久な仕上げにする事にしたw
始めはまとめて塗ろうとしたが、これだと一本一本がニスでくっ付いてしまう。
結局、一本一本塗らざるを得なくなった。
すごい手間と時間の浪費。
ここで夕方になったので打ち止め。
100本の箸を作るのに要した時間は乾燥時間は抜いて7、8時間だ。これはもし日本人が手つくり箸を作れば物凄いコストが掛かるって事だね・・
ってか、苦労すればするほど燃やされた時のショックはでかいのに・・・
でも苦労して作っている姿を周りが見たから少しは違うかな。
■今日の粗食
井戸の横に自生しているサトイモっぽい野生芋。
日本の芋に形は近いが、似ていても成分が同じとはいえない。毒があるかもしれない。特に野生の芋は危ないと聞く。
それにここの芋を毟って食べた人も過去に見たこと無い。
巨大なクワズ芋と並んで生えているので親戚かもしれない。
クワズ芋の方には非常にどくどくしい花が咲いていた。なにこの形、外見が剥いたバナナで中身が赤いとうもろこし。
宇宙人のような蕾が沢山。
これは流石に喰う勇気は無いな。
早速、里芋もどきを掘り起こし・・
掘った芋を意味も無く摩り下ろして現地人の提案でフライにしてみた・・・
パク・・・うまい!?気がする・・・
ムシャムシャムシャ・・・・
(ヤバそうなので致死量以下で止めとこう)
だがその5分後・・
ちょっとむず痒い気がする・・
痒い!!!喉と気管と口の中が猛烈に痒くなって来たぁー
こ、これは毒だ!!食べられない(爆)
子供のころ、コンニャク芋を生で食べて死ぬ思いをした事がある。まな板の上にスライスしておいてあった瑞々しくて美味しそうな物体をコンニャクイモとは知らずに食ってしまったのだ。毒々感はコンニャクイモの方が遥かに上だが毒の成分は近い気がする。