数日間、タコ部屋に閉じこもって過酷な肉体作業に従事してきた。
ってか、あれは本当に過酷なタコ部屋だ。何が過酷かはあとでお見せする。
水路掘りは断続的に5日間、ずっと3人の人が作業して彫り終えて終了。大体、1人一日5~10立方mくらいじゃないかな。一般的に本職の人なら一日に10~20立方mも掘るものらしいが、フィリピンの
日当安いなかでよく頑張ってくれた。
ここの土壌は粘土質で、そこに椰子と植物の根が這い回っている状態。水の無いときは良いのだが、水が流れると粘着質になった泥がスコップに粘着し非力な私では容易に掬う事が出来なかった。スコップの下面が泥に引っぱられるし、付着した泥が落ちなくて鉛の様に重いのである。今はマウスを持つ手がだるい。
とりあえずおおまかな水路は出来た。次はこれに籠を置いたり手直しをしてゆく。
ってか、あれこれやっていると段々欲が出てきて更に綺麗に出来ないものかと考えてしまう。あの時沢山作った籠ってのは、当初は河川用に用意したのだが、こちらを掘るうちに、籠の大半は水路へ消えてしまう事になった。来週の河川工事はどうしよう。
さて、籠の設置を始めることにしよう。
水路のスタートはこの階段から。
一昨年だったか、行政が勝手に施工した水の流入口。
まぁ仕方ないと言えば仕方ないんだけど、日本なら河川に流れるよう施工するよね?ここでは農園の土地に水を排水する。
●削れ防止機能つきwの水路にしよう
掘った水路は下から少しずつ崩れてゆくのだ・・・
ここから崩壊の連鎖が始まるのである。粘土質だからか、水が通った跡はまるで鍾乳洞のようだった。地中に空洞が出来たり水溜りが出来たり。水の力は想像を超える強さである。
最初の根を絶つために、水路の両側にレールの様に石を積んで、真ん中だけを水が流れるよう誘導してみるテスト。一番崩れやすい場所だけを補強してやるわけだ。
しかし、いちいち籠を作っていたのでは間に合わないし、コストがバカにならない。
なので、1辺が30cmの正方形の蛇腹にしてみる。これなら1セット針金(289ペソ)を買えば
6mもの蛇腹が出来る・・・(効果があるのかは謎だが)買った針金を折り曲げるだけで出来るので作業も楽。
これに石を入れて現場の壁面へ置いてみた。
結果は後日
(長期で考えているので、明日明後日に完成という訳にはいかない)
椰子をテンポラリー補強
水路に近い場所の椰子すべてに籠を置いて防御とした。ただ、これが抵抗で反対側に水の衝撃が及んで余計な場所が崩れる恐れは若干あるね。籠から籠の間に土を盛ろうかと考えたが、蛇腹を置く時に二度手間になるので無理なことはしなかった。
この前S字カーブに私たちが置いた籠を見て・・
これだけのゴミが付着しているという事は明らかな効果があったという事だ。
ここにもゴミが。
こんな激流から攻撃を受けるんだから椰子はひとたまりもない。
●タコ部屋夕食
私が街へ行った時に入手した香港製の出前一丁。
すごく大事に食べてる。
見学者の方々はラッキーミーチキン味を食べてください。
この子たちが出前一丁を恨めしそうに見ているので、汁を飲ませてあげたら速攻で吐き出した。日本人が考える美味しいもの(主に加工品)ってのは、高確率で現地人にとってはまずい物。
なので、気を使う必要は全くなく、遠慮せずに食べればいい。
焼き物や甘いものだけは全国共通である。
●自給用の野菜を植えておく
自給用に幾つかの野菜を植えた。カモテタップス(芋のつる)と、アロバテと呼ばれる日本人の味覚に合わない泥臭い野菜。
野良牛規制を行ったので色々植えられる。
●大自然の奇妙な昆虫たち
先日昆虫の大発生の日と重なってしまい、小屋の隙間から大量の羽ありが入ってきた。
これが実に奇妙で、大発生するのは夜のホンの1、2時間くらい。最初、ライトに大量に集まってきて、それから全ての虫が床に下りて来たかと思うと同時に羽が外れ、イモムシの様な姿に変化し、モゾモゾと蛆虫のように床を這い始める。
そして大半がいつの間にか這っていなくなったと思ったら・・・
歩く先々にカエルが勝ち構えており、芋虫たちは次から次にカエル達によって捕食されるのだった。