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ドイツ人に、陸上自衛隊73式中型トラックを売る

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あれからほどなく修理を終え、色々と面倒なやり取りの後、修理工場で契約の為の最終的な待ち合わせをする事になった。トラックを自宅に戻すのは色々と面倒だし、背の高い白人が自宅周辺をうろうろすると目立つので、修理工場に鍵を預けて置かせて貰っていたのだ。

彼の我侭に付き合ってかれこれ3日以上・・・

さて、契約の待ち合わせ時間は朝9時。
修理工場にやって来た。

脳みそがフィリピン化した私だが、一応僅かな道徳が残っているので、約束の10分前には到着した。

それから、約束の時間になりました・・・・来ない。1時間経過・・・来ません・・・・

 

2時間目に通訳に電話すると、今起きて向かっているという。(距離は修理工場から僅か1kmのホテルですよ)

同時刻に待ち合わせした通訳も何故か現れない(これからの展開が分かっていたのだと最後に分かった)

おいてあるトラックの荷台には、ドイツ人の持ち物が置いてある。一応戻ってくる予定ではあるようだ・・・

 

それから昼くらいにやっとドイツ人が息子と一緒に現れ。ほぼ同時刻に通訳も現れる・・・

しかし時間は既に昼飯時、弁護士事務所へ行っても閉まっているだろう・・・・

 

もう、こっちの予定はぐちゃぐちゃ、いい加減売るのはどうでもよくなってきたので、頭の中は半分キャンセルするつもりでいた。

 

今日中に金を払うの?払わないの?
と通訳を通じてドイツ人に聞くと、「払う」という。

ドイツ人が「今から契約するからみんなで弁護士事務所へ行こう」と言うので、証人やら誰やら同乗してドイツ人の車で弁護士事務所へ行く事にしたのだった。

弁護士事務所は相手側のフィリピン人が選んだ事務所。

 

それから、弁護士事務所の駐車場までやって来た段で、ドイツ人が突然として訳の分からない事を言ってくる。「全額は払えない」と・・・

 

残りはドイツから送金するとかなんとか。

こっちは買いたい客が幾らでもいるのに待ってられない。

 

バカらしい、止め止め!って感じで終止符を打とうとすると、「今からM町の銀行まで行ってくるから2時まで待ってくれ」って言い出す。

じゃ、二時間後にここで待ち合わせって事にして、アトニーの面前で取引するって事で、到着したら必ず連絡くれる様に言っておいた。

弁護士の手前なら、いい加減なことは出来ないだろうし・・・

 

 

それから、、ドイツ人は車に乗ってお金を下ろしに行った・・・・ものだと思ってた。

 

その日、収穫したコーンが乾燥を終えて山から到着する大事な日なんだよ。

二時までに、少しでも高い問屋を探そうとあちこち徘徊する。ホントはお遊びに付き合ってる暇は無いんだ。

隣村のバイヤーが13.0/kgの買取だったのでそこに決定した。トラックを誘導して計量作業に入ったり、カウントしたり忙しい。

ドイツ人が予定を狂わせるからこうなったのだ。

 

ところで、ドイツ人との約束の3時近いがまだ連絡は無い・・・弁護士事務所に付いたら連絡を入れてくれと言ってあるが・・・

まぁ、渋滞って事もあるからな・・・と思っていると・・・・

 

 

どっかで見たトラックが隣町の国道を走っているんだよ(爆)それもギアをギーギー言わせながら。後ろには親族のハイラックスが・・・
(ダブルクラッチ仕様だから普通に乗るとギアが鳴る。だからすぐに分かる)

 

乗っているのはドイツ人、契約も終わってなく、持ち主の了承も得ない状態で工場から勝手に持ち出して乗ってるんだよw

ビックリだよ。

 

それをを見つけた私はボンゴトラックのエンジンを掛けてぶっ飛ばし、ハイラックスとトラックの間に滑り込みを掛けた。

ハイラックスは仰天。トラックでハンドル握ってたドイツ人は人の顔を見ないww

 

 

これ普通に考えたら泥棒でしょ?(爆)

持ち主の了承取らずに乗る?

 

このドイツ人、私がダブルクラッチの操作教えるから彼らのハイラックスで実演してよいか?って聞いたら嫌がったんだよ。

自分の車は触られるの嫌がるくせに人の車は所有者に無断で乗る訳?

 

 

ホント、日本人を舐め切ってると思ったので、みんなが静止するのも聞かず、道の真ん中で大文句を言った訳よ。

「おいライアー!ここはフィリピンだぞ!」

相手は身長190cmの大男だが関係ない。小便ちびりながら戦ってやるわ。

 

そして、「キャンセルだ鍵を返してくれ!」と言うと・・・・

 

「ゴメンナサイ・・・・頼むから売ってくれと頭を下げて来た。」芯の無いおじさんである・・・

分かった。とにかく弁護士事務所ね。(もう夕方だけど)手続きが終わったら山に行くなり検問突破するなり好きにしていいから!(通訳介)

 

 

しかし、文句言ってスッキリした。

この白人はみんながチヤホヤするから自分がどれだけ周りに迷惑掛けてるか分からないんだよ。お供の人もビクビクしてて、彼に付き合わされて朝から一度も食事を口にしていないのに文句も言えない(食事抜きはフィリピンだと撃ち殺されるくらい恨まれる)

自分の息子ばかり可愛がって他の人は奴隷的な扱い受けてるんだよ。

彼らの苦悩を代弁してあげた気分だわ。

 

 

さて、早速向こうが指定する弁護士事務所に到着すると、椅子に鎮座していたのは、なんと知り合いの弁護士。(なんかそういう予感はしたんだけどね)移転してここに来たらしかった。

それから契約の段になって、またドイツ人が難しい事を色々言っていたが、弁護士がフォローしてくれて無事に契約完了。

 

助かった。この場に及んでまだ分割払いを要求して来たからね。

 

 

という訳で、色々あったが契約は終わった。と言ってもまだ買ったばかりのトラックを購入金額の6割で売ったのだから勉強代としては高くついてしまった。

 

(ドイツ人全般を悪く思ってるんじゃありませんので念のため。多くのドイツ人は立派で倹約家だと思っている)

 

以上。

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フィリピン農園だより
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