稲作で貧乏自給してみよう
一人の成人が食べてゆく為に必要な最低限の畑の面積はどの位なのだろう。一般的に成人が一日に食べる米の量は一合(180グラム)×3回。180×3=540グラム 年間だと360×0.54kg=194kg これは籾摺り後。
籾摺りすると重量が60%くらいに減るから、元の重量を割り出すと323kgこれを米袋に詰めると5俵弱・・・・繰り上げて6俵
おかず相当分はどうするか・・・仮に日に100ペソのおかずを買うとしたら(ちょっと贅沢か)年間だと36000ペソ。籾に換算すると1俵1000ペソだから36俵は確保しなきゃ。
6俵+36俵=42俵、米とおかずで42俵/年あれば原始的な生活はできるという計算。
さて、どの位の規模で42俵/年のお米が採れるか。二期作のフィリピンだから一期作辺り21俵でいい。
しかし、幾ら自給って言っても肥料くらい必要だろうし全て一人でやるのは無理なので、収穫量の何割かは経費で割く。
幾らか手作業で出来そうなので勝手に3割経費にする。残り7割が食糧。21俵が元の俵数の7割に相当するのだから、全部で30俵作らなきゃならない事になる。
30俵は1800kg、1反/350kg位がこの辺の水田の平均収穫量だから、30俵を賄う水田の面積は、1800kg/350kg=5.14
つまり、約5反(1500坪)の水田で二期作やれば、死なない程度の食糧は賄えるって事になる。
あとは確保した36俵を物々交換しながらオカズを賄い、空き地にはナスやグーライを植えて野菜を補っていく感じか。
完全自給に挑めるのが稲作の醍醐味、誰か試してみればいいのに。
初期投資は幾らだろう?
5反だと野菜が作れないので7反は欲しい。土地代25万ペソ程度と最初のランニングコストが数万ペソ、小屋と電気の敷設と牛一匹入れて30万ペソって所だろうか、立地がよければ。
山間地なら土地より牛の方が高いくらいだから全部で10万ペソとか。電気代は電球だけなら一月100ペソくらいだから、使い過ぎないなら敷いた方がよい。
ただし、こういう生活だと車もバイクも乗らず、病院にも極力行かず、蚊が多くてもオフローションも買えない。コブラに噛まれても吸って処置する位の覚悟が必要。ネットは働かなくなるからやっちゃ駄目。
でも、幸い夜に添い寝する彼女くらいは見つかると思う・・・
こういう生活しておけば日本人だからと言ってパラサイトしてくる人もいないだろう。哀れみを感じた優しいフィリピン人が余った野菜くらい恵んでくれると思うよ。
山に半自給生活する人は多い。自分がよく行く所は僅かな天水水田と野菜だけで生活している人が多い。当然、車もバイクもなし。水は湧き水。毎日朝4時には起きて夜7時には寝る生活。
病気になって死ねばそれは寿命。
そういう人は一日50ペソも使わず生きる。生まれてからずっとそうだ。
ただ、死ぬときはどんな田舎でも金は掛かる。フィリピンは墓地以外に埋葬は出来ない。後の人に墓地代で迷惑掛けないよう1万ペソくらいは土間の下に埋めておけば完璧だ。