とある街でサリサリストアを運営する謎のドイツ人の近況。
彼は少しづつながら着実に自分の礎を築いているようだった。行くたびに僅かながら店が大きくなっている。節約に節約を重ね、涙ぐましい努力を重ね店の売り上げだけをちょっとづつ溜めて店舗拡張をしているのだ。
母国に帰ろうと言う気は全く無いようで節約生活を続けながらフィリピンに骨をうずめる気でいる。
なんと、ドイツ人は大型冷凍庫を導入していた。
これ一台あれば氷は幾らでも作れるだろう。
「電気代はいくらか?」と私が尋ねると、「月に400ペソだ」と間髪入れずに答えるドイツ人。流石。
サリサリを経営してるフィリピン人は多いが、自分の店にある買ってまだ間が無い新品の冷蔵庫の電気代を瞬時に答えられる人は少ないと思う。せめてこの位の金銭感覚がないとサリサリを運営するのは難しい気がする。
さて、今日はドイツ人の質素すぎる食生活をリアルに拝見してきた。私もドイツ人の爪の垢を煎じて飲まなければいけない。
彼の家の立地だが、右横は以前に紹介した怪しいお菓子の製造場、そして左横にはパン屋さんがある。(ただのサリサリかと思ったらパンを焼く工房だった) そのパン屋の残飯置き場が、なんと彼の家の裏庭で繋がっていたのだった・・・
これはどういう事か分かるだろうか?彼は好きな時に好きな分だけパンを入手できるという非常に恵まれた環境に住んでいるという事なのだ。
残飯置き場はパン屋の裏手の方だから人目に突き難く、多分彼だけが優位にパンを入手できる状況だ。パン屋の人がそれを知ってるかどうかは知らないが、多分少々拝借しても怒らないというか、黙認しているのかもしれない。
これが実際の廃棄パン
今はどうか知らないけど昔は日本のコンビニなんかも古いお惣菜を無制限に分けてくれていた。学生時代は非常に助かったものだがそれに近いものがあるね。
中には、コンビニのおでんの汁をただで貰って持って来て冷えたご飯を入れて食糧を作るツワモノもいた。人間貧乏だと様々な発想が浮かんでくるものだ。
しかし、お菓子工房とパン屋の真ん中に土地を持ってるドイツ人。両側のお店の様子を見ると割と古い造りだった。もしかして彼らはあえて意図的にパン屋とお菓子工房の真ん中に土地を買ったのではないだろうか。もしそうだとしたらマジで凄すぎる。
裏は牧場なんだけど牛乳も絞り放題だよなw 毎日パンと牛乳か、いいじゃん。
これは彼らの生活に必要なビタミンを供給する謎の木の実らしい
大量のコウモリが果実を勝手に採って行くんだと嘆いていた。
なんと、表がお客さんのくつろぎスペースに改良されていた。これで酔っ払いがたむろ出来る環境になったね。
私が店を見学していると、唐突に「オマエはコナッツサブレを食べたいか?」とドイツ人が問いかけてきた。「お金はいらない」と言いながら渡してきたが、「いやタダで貰うの悪いから」と13ペソを冷蔵庫の上に置いておいた。
(これは極めてフィリピン的なスタイルww)
それから、ココナッツサブレを口に放り込みながら庭に散歩をして部屋に戻った僅かな時間、部屋に戻ると。
なんと、あの痩せた養女がココナッツサブレの中に手を突っ込んでいた(爆)
ここから這い出してきたようだ・・・なにか執念のような物を感じる。
ベビーカーの中でこちらを見る養女。まぁ痩せてはいるが、フィリピンの標準的な子どもの栄養分くらいは摂取してるっぽいからとやかく言わない・・・
床では人生を悲観したかのような犬が私を見ていた・・・
ドイツ人レポート続くかな・・・