耐久限度を超えた井戸ポンプ
一日に数十人の人が使う農園の井戸。ボロボロで補修跡が沢山あるのが分かると思うが、針金でぐるぐる巻きに補修されてボルトさえ付いていない。
シリンダーとピストンの磨耗で水の吸出しも悪い。
辛うじて動いているポンプは稀に触った瞬間に壊れてしまう事もある。しかしそういう時はロシアンルーレット形式で壊した人が直すルール。
たまたま触っていた人は運が悪い・・もし子どもが壊したら親に頼む。
最初は私に直してくれと泣きついてくるんじゃないかと思っていたが、以外に自治が機能していて、壊した人がちゃんと修理している。
まぁ針金や工具は貸し出しているんだけど・・・
近所の牛が息絶えた
農地に半ば意図的に放たれて作物を食いまくっていた牛が、先日とうもろこし畑の真ん中で息絶えていた。死因はとうもろこしの食いすぎだそうだ。畑は牛の持ち主のものではなかった。
牛の管理人は牛が勝手に這って行った様な事を言っていたが、牛が勝手に塀を越えて収穫期の畑へ這ってゆくとは考えにくく、持ち主が意図的にとうもろこしを食わせたっぽかった。(何人かの農夫さんもそう言っていた)
とうもろこしは餌としては最上級なので畑に放てば丸特だ。
牛のオーナーは大事な牛を失ってうな垂れていたが、これは仕方が無いだろう・・・
肉はその場で解体されてキロ百数十ペソで売られる。(日本ではありえない)
しかし肉の購入者の殆どがウータン(借金)での購入のため、資金的な回収率はかなり低そうな感じ。
売り上げは全部回収できれば2万ペソらしいが、手元に入った現金は数千ペソだとのことだった・・・
牛ビジネスの利ざや
解体していた牛の関係者に牛ビジネスの利ざやを尋ねてみた。(酔っ払いに聞いたのでホンマかどうか分からないが)
生後9ヶ月の子牛が一頭1万5千ペソらしい。それを買って二年間育てると3万~4万で売れるとのこと。
3万5千で売れたとして2万ペソの利益、二年間24ヶ月付きっきりで育てて2万ペソ、一ヶ月で割ると僅か800ペソだ。
子どもが生まれれば丸儲けらしいが、子どもが生まれなければ一ヶ月間僅か800ペソの手間賃で牛の面倒を見なきゃならないって事だ。
当然今回のような事故のリスクも付きまとう。
他力本願で育てるわけだが、中には農薬撒いてる土地もあるだろうし・・
一匹二匹の話なら、この人たちの様に他人の土地に放って放牧するって小技も効くかもしれないが、ビジネスになるような育牛なら大きな土地や管理小屋だって必要だろうし、信用できる人員もいるだろうし・・・
簡単な話ではない。
これは井戸を使った礼にとオーナーが置いて行ってくれた肉。